危機の時にこそ本当の能力がわかる3

兵庫県の井戸敏三知事は3月20日に「大阪はいつも大げさ。兵庫との往来さえしなければ済むのか」と発言した。

大阪はいつも大げさという発言は、大阪に比べて兵庫はそこまで心配していない。あまり危機感を煽るなという意図なのかもしれないが、大阪の吉村知事の危機意識とは大きな差があるように思える。
感染症の専門家会議が東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫の人口が集中している5都府県では既に医療提供体制が切迫していると指摘したが、井戸知事は学校を再開するとしている。確かに兵庫県は北部から南部までエリアが広く、感染者の発生していない地域もあるため学校再開をしてもよい地域とそうでない地域に分かれるし、いつまでも休校を続けられない事情もわかる。
学校再開の判断は、危機意識の欠如と考えるか、児童・生徒の精神的なケアを考えるかは難しい。井戸知事は、総務省の官僚出身で現在5期目。20年近くも兵庫県のトップに君臨しているが、特定の地位に長くいればいるほど様々な弊害が生まれ、周囲の誰も意見を言えなくなる傾向はある。この井戸知事の判断は、阪神淡路大震災後やリーマンショック後の判断であれば正しいと思うが、感染症の世界的な蔓延という緊急事態が継続していることを考えると学校再開は少し早かったのではないかと思う。