石川県の谷本正憲知事は3月27日に以下のように発言した。「自宅でずっと自粛生活を続けるのは人間として耐えられない部分がある。どこかで息抜きをしたいという気持ちがあれば、無症状の人は石川県にお越しいただければ。新幹線もあり、2時間半で来られるので。東京から来る人はみんな感染している可能性があるから一切受け入れないという決断をすると、地元の産業に甚大なダメージを与えるということになる。そんな鎖国政策を取ることはできない。」
「無理やり誘客することはできないが、息抜きがしたい人が来れば兼六園は桜も満開だし、幸い密閉、密集、密接とはほど遠い状況なのでゆっくりと散策を楽しんでもらえば」と述べた。
感染拡大で打撃を受ける県内の観光産業や経済に気配りしての発言ではあるが、無症状の人が知らない間に感染を拡大しているのが今回の武漢熱だ。石川県の知事の発想は、「安全・安心」や県民の命と「経済」を比較した結果、経済に重点を置いたものであることがわかる。
経済の影響を強調しているTVのコメンテーターも多いが、まだ経済の影響を議論するよりも感染症の蔓延を防止できるかどうかの瀬戸際なのだという意識を国民全員が持たなければならない。石川県をはじめとする日本海側の各県や四国などはまだ感染者数が比較的少ないので危機感が不足しているのかもしれない。武漢熱との長い長いつきあいを考えれば、まだまだ経済優先のモードに切り替えるのは時期尚早だ。