▼現在、いわゆる激戦州であるペンシルべニア(20)、ミシガン(16)、ウイスコンシン(10)、ジョージア(16)、アリゾナ(11)、ネバダ(6)、バージニア(13)の7州ではまだ訴訟中であったり係争が生じている。これらを除くとバイデン227、トランプ232でトランプ優勢の状態で保留というのが正しい認識だ。一方、アメリカ上院は定数100で共和党50、民主党48で2議席がまだ未確定。会員は定数435で共和党が209、民主党が222で4議席がまだ未確定となっている。
▼アメリカの大統領選挙は間接選挙になっており、有権者はまずバイデンかトランプ投票する。選挙が実施された州で有権者のトランプ票が1票でも多ければその週に割り振られた選挙人を獲得する。これが11月3日に実施された。11月3日の結果に基づいて選挙人は12月14日にトランプに投票することになる。選挙人は538人なので過半数が270人。11月3日に270人以上の選挙人を獲得していれば通常は勝利となるが、毎年数人の選挙人は裏切ることもあるので、272対266などの接戦になればどうなるかわからない。
▼11月3日の投票結果は、各州の選挙管理委員会が認定し各州の議会に報告する。しかし、今回の場合、各州の議会で不正選挙があったとなれば各州の投票結果にかかわらず州議会が選挙人を確定することになる。上記激戦州で州議会が共和党が多数を占めているところは不正選挙を理由として州議会が選挙人を選ぶこともありうる。一方で知事が民主党であれば、あくまで選挙結果を正しいと主張することになる。すなわち、州政府の結果と州議会の結果が異なることも生じるということだ。
▼この対立が長引けばその州の選挙人は決まらず538人の選挙人から削除されると、バイデン氏の選挙人が270人以下となることが考えられる。選挙人で過半数を超えていなければ連邦の下位で決めるルールがあり、その場合共和党26、民主党23なのでトランプ再選の道が開けることになる。